Chord Moon~和月の譚詩曲~

3人で小説を回し創りしています。 皆さま、生暖かい目でご覧下さい。

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第45話by港斗

 「魔術の意思、か……。偉そうな事言っといて何だけど、僕は分かりたくもないな」
 ミシェアと別れた帰り道、クロウスはただひたすらに考えていた。
 自分が歩いている事さえ、忘れる程に。
 魔術の意思に辿り着く為には、才能や血筋などはまるで意味を成さない。求め、理解し、共に在ろうとする。正しく、生物の様に触れることが重要だとされている。
 生物の様に? 自分の中に居るコレは実際生きているというのに、馬鹿馬鹿しい。
「僕はひょっとしたら、魔術師落第かもしれないな」
 ひょっとしたら、などと言ってしまうのが我ながら女々しかった。
 自ら作り出した紋章魔術にしても、未だその意思の一端すら見えてこない……。いや、そんなものは無い、というのが実の所だろう。こんなもの、魔術の名を借りただけの紛い物だ。
 一体、何をやっているんだ、自分は。
 一体、何をしようとしているんだ、あの人は。
 そして……、一体何なんだ、コレは!?
 ただ、何かが起きようとしている。
 そして、それはおそらく――
「っと……」
 ふと、身体の右半分に強い衝撃を受けて、クロウスは立ち止まった。
 視線を向けると、そこには細長い人影が立っていた。クロウスも中々の長身だが、その人物も負けず劣らず背が高い。だが、まだあどけなさが残る顔と、縦に似合わず細い腰つきからか、大きい、という印象は無い。年齢は十九といったところだろうか、とクロウスは思った。
 いずれにせよ、どうやら自分はぶつかってしまったらしい。
 考え事に熱中し過ぎていただろうか、と反省しつつ、謝罪の言葉を口にする。
「ごめんなさい。ぶつかっちゃいましたね」
「いえいえ、こちこそ――!?」
 少年の橙色の瞳に、驚愕がはっきりと浮かんだ。
 何故だろう、嫌な予感がする。
「で、」
「で?」
「弟子にして下さい!」
「……は?」
 目が合った時点で、早足でこの場を去るべきだったかもしれないな、とクロウスはため息を吐いた。
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  1. 2009/02/22(日) 09:50:48|
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